少女の心を隠し持つ、
すべての大人の女性たちへ
自然のリズムで生きられない、
現代の女性たち
未婚・既婚、年齢を問わず、現代を生きる女性たちは誰かの欲求に応えるために、つい自分自身の欲求を後回しにしがちです。
一日のタスクを終え、ふと部屋を見回せば、花瓶の花が蕾のままで萎れているのを、発見する日もあるでしょう。
時短や効率を重視する現代社会は、女性に元来備わった、自然のリズムと同調する生きかたとは相反しています。その矛盾を薄々感じつつ、社会に適合できるようにと、女性たちは柔らかな心を強張らせ、日々を過ごしているのではないでしょうか。
これでいいのだろうか、何か大事なものを置き去りにしてはいないかと訝しむ気持ちは、心の栄養補給をうながす、メッセージなのかもしれません。
慌ただしさに呑みこまれ、季節すら感じられないようなときこそ、美しいものと向き合う時間を、暮らしに取り入れてみてください。

乙女心目が覚めます、
江戸の粋を再現した大人のガーリー
美しいものは、ひとの心を癒し、明日への活力を甦らせるパワーを宿しています。
漆銀カップ「春夏秋冬」には、花を愛で、鳥のさえずりに耳をかたむけ、自然界の美しい景色や風物に親しむ暮らしの風景が込められています。
春には桜とメジロ、夏には竹林とスズメ、秋には紅葉とカワセミ、冬には梅とウグイスの蒔絵をほどこしたこの品は、古典蒔絵から着想を得て作られました。
漆黒を背景に描かれた文様は、小鳥の色鮮やかさを引き立てるように色数を厳選してあり、江戸の粋を再現した写実的な図案との相乗効果で、上質な甘さが際立ちます。
大人の鑑賞にたえる品格と、可憐な趣をたたえるカップを手にすると、眠っていた乙女心が、呼び覚まされるのでしょうか。
少女時代の自分に戻って歓声をあげ、蒔絵の小鳥を一心に眺めて、生まれ月と合わせた季節のカップを、弾む心で連れ帰るお客様が数多くいらっしゃいます。

漆と銀の
勇気なマリア―ジュ
たおやかな風情で、大人の女性たちの心を惹きつける「春夏秋冬」。
カップ内側部分には銀を用いていますが、従来の輪島塗にはない斬新な漆と銀の組み合わせは、ただの意匠ではありません。
熱伝導率が高すぎるために単独使用には向かない銀に、断熱性の高い漆器の木肌を巻きつけて2重構造にすることで、保温性を高めると同時に、手で持てるようにしてあるのです。
これまで木と銀、この2つの素材は、膨張率の違いにより貼り合わせる作業は困難とされてきました。けれども「春夏秋冬」では、飲み口の先端の円周部分だけで、木と銀を接着しています。
それを可能にしたのは、5年の歳月をかけて開発された特殊な接着剤と接着技法です。
注ぐだけで飲み物の味をまろやかに変化させ、胃にマイルドに届ける銀の薬効を体験してもらいたいと願う企業と、田谷漆器店との出逢いから製品化にいたりました。
優美な外見の内側に、健やかに人体へと作用する銀を装備しているこの漆銀カップに、大和撫子のスピリットが宿っている、と言うのは大げさでしょうか。

女性を甦らせる、
器とともに心を遊ばせる時間
美しいものを、見て、触れて、感じるひととき。ゆるやかな自然のリズムとつながる時間の積み重ねは、女性を本来の在りかたへと、いざなってくれます。
家族が起きだす前に、誰もいないダイニングテーブルで一杯のお茶を飲むとき、黄金色に輝く液体から上がる湯気を頬に受けるうちに、浅かった呼吸が深くなっていく。
お茶を口に含むと、まろやかな風味が口中に広がり、唇から伝わる漆の感触に、身体と心が、ゆっくりとほどけていく。
どこからか竹林を渡る風の音が聞こえ、シャラシャラと鳴る調べに耳を澄ます瞬間、身体は部屋を抜け出し、自然とたわむれだす。
……久しぶりに手紙でも書いてみようか。
微笑んで懐かしい顔を頭に浮かべたら、心の充電完了の合図です。
